JLCPCB様より汎用基板とMD基板製作費のご支援をいただきました!
NHK学生ロボコン2025にさきがけて,JLCPCB様より基板制作費のご支援をいただきました!
※この記事には,一部宣伝・広告に類する内容が含まれております.
NHK学生ロボコン2025に向けて支援をいただきました!
今回製作した基板とその説明
今回,JLCPCB様のご支援を受けて製作した基板は以下の2つです.
- 汎用基板: Expander_Fluxor
- MD基板: MD_Formica_hw
これらの基板の機能について,簡単に紹介します.
汎用基板: Expander_Fluxor

この基板は,JLCPCB様の支援を受けてとうロボ2024で製作した"MD_formica_expander_Uator_mk2"を大幅に刷新したものとなっています.もともとMDの制御に使用するために製作されたものでしたが,使い勝手が良かったため汎用化することを決めました.ロボコンに特化したArduinoやNucleoボードのようなイメージです.具体的には,"Uator_mk2"など旧作との下方互換性を保ちながら,次の点について更新を加えました.
- 生やすピンの数を増やし,モータ制御用のPWMだけでなく,シールド基板をつなぐことによって通信のロジックがとれるようにした.
- 従来,ピン割り込みを使ってインクリメンタル型エンコーダの回転角を取得していたが,タイマのエンコーダモードを使ってエンコーダの回転角を取得できるようにした.
- STLINK-V3用のコネクタを配置し,新しいSTLINKに対応できるようにした.
- ブザーやフルカラーLEDを実装し,視覚的,聴覚的なデバッグをできるようにした.
なお,この基板については受動部品が多いため,PCBAを利用させていただきました.毎度のことですが,基本費用わずか8$にも関わらず,こんなに手軽に,そしてきれいに実装していただけるので本当に助かります.
MD基板: MD_Formica_hw

この基板は,JLCPCB様のご支援を受けて学ロボ2024で製作した"MD_Formica(この記事ではMotor Drive 基板 駆動部)"をマイナーチェンジしたものです.今後,Robohanで使うブラシ付きDCモータドライバの主力にしていくつもりです.具体的には次の点について更新を加えました.
- はんだづけがとても難しく,量産に向かなかったため,リフローによる実装がやりやすいように極力片面に部品を配置した.
- 銅箔厚さが1ozにままでは,部品を片面に配置したことにより許容電流量に制限がかかるため,銅箔厚さを2ozに変更した.
- ディスコン部品があったため,別の部品に変えた.
- モータを接続するコネクタを,出力用(XT60のメス)に換装した.
なお,この基板はRobohanにおいてリフローによる実装を行いたかったため,ステンシルを一緒に注文しました.ステンシルは7$で注文できます.
JLCPCB様でのPCBAの発注方法
発注方法はNHK2024でのご支援の記事と同じ内容です設定で時間がかかるものと思っていましたが、Kicadだとプラグインで簡単に出来ました。 私が今回発注に使用したファイルは以下の手順で生成しています。 (使用環境 Windows11 Kicad7)
- プラグイン導入
- 素子選択
- ファイル生成
- 基板データのアップロード
- PCBAのオプションを設定
- PCBAに関するデータをアップロード
- パーツの位置データの確認
- 最後に
プラグイン&コンテンツ マネージャーから「Fabrication Toolkit」を選択してインストール

以下のURLから素子を選定し、Kicadの回路図シンボルのフィールドにLCSCという欄を追加して、値に選定した素子のコードを入力する。 「JLCPCBの素子リストURL」
*LCSCという欄を作りコードを入力しなくても、ファイル生成時に抵抗やコンデンサ等だと予測して出力してくれるみたいですが、たまに違うことや、実装に値段がかかる素子の場合もあるので注意が必要です。

追加したプラグインのGenerateを選択。
→追加した素子のコードによって自動的に素子の位置情報などのファイルを勝手に生成してくれます。

上のようにディレクトリ直下にフォルダが生成されその中に発注に必要なファイルがすべて入っています。

ここからはJLCPCBの発注画面での操作です。通常の基板通り、Gerberデータとドリルデータのファイルをまとめたzipファイルをアップロードします。
→実はこのzipファイルも、先の手順で行った「production」のフォルダ下に生成されています。(設定とか忘れることがないので、とても楽ですね)

PCB Assemblyを有効にして、「実装面(Assembly Side)」、「実装する枚数(PCBA Qty)」、「実装後のズレの確認(Confirm Parts Placement)」に関して確認します。 (最後のはオプションなので、デフォルトでは無効になっていますが、ほぼ値段変わらないので、今回は有効にしています。)
上記の設定が終われば「Confirm」をクリックして実装する部品などのデータを上げていきます。

最初は先の選択内容に関して表示されているだけなので、問題がなければ「Next」を押してスルーします。

次に、「部品のデータ(BOM File)」と「部品の位置(CPL File)」を上げます。
→このデータに関しても「production」フォルダ下にそれぞれ「bom.csv」と「positions.csv」という形で生成されています。

データを上げた後はそのデータが正しいかの確認です。
基本的に先の、回路図での設定で上げた「LCSC」という欄に正しいコードを入れていれば問題はありません。
* 今回の方法では、「LCSCの欄がない」または、「LCSCの欄が無入力」の場合には、プラグインが素子を推測して、先のcsvファイルを生成することがあります。 その場合には、右側の「Select」のチェックを外すか、「Matched Part Detail」の検索ボタンで素子を変更することが出来ます。

最後に、先に確定させたパーツの位置データを確認します。
ここはしっかり確認しましょう。
フットプリントのデータは基本的に素子リストにある「Easy EDAのライブラリ」を使用しない限り、向きが異なる場合が多々あります。
向きが異なる場合、素子は以下のように個別に向きを変更することが出来ます。
素子の数が多い場合は、フットプリントを作る段階で
・「Easy EDA」から「Kicad」用のデータに変換
・「Easy EDAのライブラリ」を参考に向きを調整
上のどちらかを行っていれば、一つ一つ変更する手間がなく、楽にこのステップを終えることが出来ます。

以上でPCBAまでの設定が終わり、カートに入っていると思います。 あとは「配送方法」や「支払方法」を選択して発注をかけましょう。
プラグインを使用することで、「基板を初めて発注する方」、「PCBAを利用しない方」も含めて、ボタン一つで必要なファイルがすべて生成され、とても簡単に発注が行えると思います。
この記事が、基板を発注する手助けになれば幸いです。
おわりに
今回はJLCPCB様から多大なご支援をいただき,NHK学生ロボコン2025に向け回路系統に大きな前進が生まれました.引き続き,NHK学生ロボコン2025での優勝を目指し,日々開発に精進してまいります.
支援していただいたJLCPCB様,本当にありがとうございます.
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